看護部長の挨拶
【看護部長:伊藤 勝一】
当院は、東京都八王子市西部の自然豊かな環境にある精神病院です。人間社会で傷つき病んだ人々の心を癒すのは、大自然と人々の暖かな心です。
基礎看護技術に必要なのは、患者さんとのコミュニケーション・信頼関係であることを考えると、精神科看護は特殊な看護ではありません。あらゆる看護の基本と言えるのではないでしょうか。
看護師として、自分の心を見つめ直し、素直な心で病む人々と向き合い共に歩む姿勢が必要ではないかと思っています。そんな“暖かな心”“癒しのケア”を目指しています。
私たちは「人間理解の専門家」として、共に成長できる組織をつくっています。
看護単位
ストレスケア病棟をはじめ、5つの病棟・外来部門がそれぞれ異なる役割を持ち、精神科医療を提供しています。
新2階病棟(リエゾン病棟)45床 障害施設等入院基本料10:1 |
主に透析患者が入院療養する病棟ですが、精神科身体合併症に対応しています。日本精神科看護技術協会の認定看護師(身体合併症)実習病棟です。 |
新3階病棟(急性期治療病棟)39床(うち2床保護室) 精神科急性期治療病棟入院料2 (13:1に相当する看護配置) |
精神科患者様の急性期症状を治療し、自宅復帰をめざした看護ケアを提供しています。 |
新4階病棟(ストレスケア病棟)39床 精神病棟入院基本料15:1 |
うつの患者様の専門病棟、東京都全域から患者様が集まっています。精神科看護の未来を探る試みを始めました。
精神科看護師だからこそ、できる事があるはず。
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南2・3病棟(精神透析病棟)54床(うち6床保護室) 精神病棟入院基本料15:1 |
25年度より精神療養から、精神科症状を有する透析患者様に対応できる病棟へ改編しました。長期入院患者様の退院推進にも取り組んでいます。 |
南4階病棟(精神療養病棟)42床 精神療養病棟入院料 |
精神科療養病棟として長期の患者様に対応しています。地域との連携を進めて退院促進を図っています。 |
【外来・訪問看護・デイケア】
「地域生活を支える」部署として、患者様の自立支援から在宅支援を積極的に行っています。
【人工透析室】
21床の透析ベッドを有し、精神疾患をもちながら維持透析が必要な患者様のケアを実践しています。
教育
レベル毎に目標を設定し、院内・外の研修を利用したキャリア形成を支援できる体制を整え, 精神看護のスペシャリスト育成を目指しています。
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教育計画
キャリア開発支援として、院外研修制度、奨励金制度を設けています。
自己のキャリア形成、看護観の再構築を目的として、1年以上の経験者は勤務異動の希望を出すことができます。
レベル毎に目標を設定し、院内・外の研修を利用したキャリア形成を支援できる体制を整え, 精神看護のスペシャリスト育成を目指しています。
看護研究
日々の看護業務の中で研究したことを院内・院外・研究発表・学会等に参加しています。
■平成30年度 東京精神科病院協会学会
各病棟部門からのメッセージ
【リエゾン病棟】
リエゾン病棟は、障害者病棟として慢性腎不全で人工透析をうけている患者様が多く入院し、認知症や精神疾患で身体合併症の治療をうけている患者様もおります。
当病棟の看護提供方式である固定チームナーシングを用い、『重症チーム』、『認知症チーム』の2チームに分かれ患者様の特性に合わせたケアをしています。
それぞれのチームの中で更に小集団活動に分化し、カンファレンスの充実、レクリエーションの充実、ターミナルケアの充実など様々な視点で活動を行い、患者様自身がその人らしく生活を送れるような看護、個別性のある看護を目指しています。
【急性期病棟】
急性期病棟は、精神症状が不安定で早急に治療を要する方が加療する病棟となっています。
そのため、入院初期は休息の確保が出来るように環境調整を行い、精神状態が安定し生活リズムが改善がみられたら、病棟外の作業療法や外出、売店買い物など社会性の向上に向けた活動を行います。
入院時よりセルフケア・社会復帰を目的にして、患者様の家族背景や生活歴、ADLに合わせて自立支援を意識した看護を提供しています。
【ストレスケア病棟】
ストレス社会と言われている今日、複雑な社会環境の中で、様々なストレスにより不安・抑うつ・不眠といった精神的症状に悩む人が増えています。ストレスケア病棟では、落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと心身を休め、治療に専念して頂くことを目的としています。
患者様と寄り添い共に考える事で、患者様の精神的サポート役を目指しています。日課を通して生活リズムを整える関わり、生活面の環境を整備する関わりなどを支援しています。主治医との面談の際には、活動と休息のバランスや睡眠状況を報告し治療に役立つ情報提供を行い、患者様の気持ちを代弁し、共に治療に望んでいます。
多職種の治療プログラムとして、作業療法士よりクラフト・アートセラピー・エクササイズ・自律訓練、
心理士より心理検査・カウンセリング、薬剤師より薬剤指導、精神保健福祉士より社会資源の調整、社会復帰についてのアドバイスをしています。また、復職プログラムとして、退院後の職場復帰を目指している方に対し、病気の回復と復職のお手伝いをさせて頂きます。看護師は多職種と連携し、患者様を支える役割を担っています。
【南館2.3階病棟】
精神一般病棟は、54名の男女混合病棟です。
精神疾患のみならず、人工透析をされている方や肺炎などの身体合併症を患っている方、患者さまの年齢も20代から80代と幅広く療養されています。
受け持ち看護師は、患者さまの思いを受け止め、代弁となり、患者さまの思いや願いを自己実現に向けて、日々奮闘しています。しかし、高齢化した重症の患者さまと向き合う中では、患者さまにとって、本当に最善の方法や対応なのかと悩み・不安を抱えることもあります。
そこで当病棟では、小集団によるチーム活動で、受け持ち看護師を支えています。
* 患者さまには、受け持ち看護師が…
* 受け持ち看護師には、チームが… 日々、支え助け合っています。
可能性を諦めることなく、自己実現に向けた取り組みは、成長の糧となっています。
【南館4階病棟】
精神療養病棟は、42床の男女混合の精神科療養病棟です。
精神症状が安定した方が退院に向けて療養している病棟です。療養者が小集団生活を通して生活への目標をもち、看護師・介護士がADL(日常生活動作)の維持・向上へ支援しています。また、作業療法士と協力し数多くのレクリエーションや外出を行い、自立・退院支援を主とした生活訓練も提供しています。
療養者が生活を楽しみながら退院を目指していける環境、活気ある職場環境を目指しています。
【透析室】
透析室はベッド数21床、午前・午後2クールで約80名の患者様が入院加療しながら透析を受けています。
高齢の認知症患者様や統合失調症・うつ病などの精神疾患のある患者様が安全に透析を受けられるよう、日々緊張感を持ちながら観察・透析ケアを提供しています。
また、患者様への笑顔・丁寧な言葉掛けなど接遇の意識を高め、様々な不安、苦痛を抱えた患者様が安心して透析を受けられるように取り組んでいます。看護師、臨床工学技士が密に連携し、常に情報を共有しながら、チームで透析患者様の生きる力を支えていけるように頑張っています。
【訪問看護】
訪問看護は、退院患者様や外来通院される皆様が、自分らしく、安心して御自宅や地域で生活できるよう支援しています。
スタッフが定期的に、ご家庭を訪問し、病気の事、日常生活の相談や援助、社会資源の情報提供などを行い、皆様の言葉に耳を傾け向き合いながら、利用者との関わりを大切にしています。
精神科地域包括ケアシステムにおける生活支援の大切な役割として、看護師・精神保健福祉士・作業療法士など多職種でお伺いします。