一般企業に勤めていたのですが、元々福祉系の大学出身だったこともあり、精神保健福祉士に興味を持っていました。勤めていた企業でも障害者が一緒に勤めており、仲の良い同僚の中にもハンディキャップを持っている方もいました。一緒に仕事をする中で、仕事に対しての姿勢や体験を通じて得る気持ちはお互い同じもので、私と何も変わらないということを実感していました。
ただ、障害者が今の社会における生活のし辛さというものが同時に伝わり、「一緒に何かできないか」と考えているうちに、進む道を変える決意が生まれました。
ソーシャルワークは広い意味では何らかの障害を持っている方の社会生活を支援する仕事です。当院では、精神保健福祉士が働いている部門が医療相談室、訪問看護、精神科デイケア、生活訓練施設川口ハイツの4つあります。
私が所属している部門は医療相談室になるのですが、入院・受診の相談窓口や退院支援、ご本人様・ご家族様、他機関との連絡調整も担っています。
当院外来に受診していた患者様で、行政職員と一緒に支援に取り組んだエピソードがあります。
ご本人自身は病気という認識がなく、当初は病状として、自分を傷つけてしまうこともありました。関わっていくうちに少しずつ心を開いてくれるようになり、信頼関係が出来てくるとご本人から私に話しかけてくれるようになりました。自立に向けての練習として精神障害者グループホームでの生活の話が進んだ頃には、症状がだいぶ落ち着いていて、自分の感情をしっかりと言語化、コントロールできるくらいまで回復していました。
精神障害者グループホームへ入居し、外来先も変わり、ケースは終了となりました。数ヶ月後ご本人が入居しているグループホームの職員と別件で連絡することがあり、その時にご本人が私と話したいとの強い希望でお話ししました。その時の電話で本人が「平山さんに出会えて良かった。」と言ってくれました。
自分が何かしたという達成感よりも、目標に向かって一緒に嬉しいことや辛いことを共有できたこと、ご本人が成長していく過程を傍で感じることが出来て嬉しく思い、精神保健福祉士という仕事をやっていて良かったと心から思えました。
当院は様々な部門でソーシャルワーカーとして活躍できると思います。院内はもちろん、他機関との連携も充実しています。また、上司・先輩・同僚にも恵まれており、相談しやすい環境です。
患者様・ご家族様の人生に関わる業務なので、仕事上とてもシビアな面もありますが、自身の成長にも繋がり、やりがいを感じて働ける職場です。